悲しかったこと
時折、住宅相談を受けます。
新築計画、改修計画、インスペクション、相続・・・相談内容は様々ですが、印象的だった先日のご相談者は築浅木造住宅でUa値もうたっている建物なのに、家が寒くてその後、自分でも調べたりして色々と部分改修をしていたけど、状況改善が思ったよりいかないので、maaoに相談頂いた経緯。
ヒアリングしながら、根本的な外皮性能が不足していること、とはいえ返済計画も進んでいる中で、更なる改修費用も大きく見込めない中で、何をどこまでしていけるか?等々をzoomで1時間ほどアドバイスさせて頂きました。
その中で、建てられた施工会社のお話もして頂きましたが、お施主様は建設時に断熱性能の意識はまだ低かったものの、耐震に関しては重きを置いておられて、それにより設計・施工に至って、のはずだったのですが、竣工後の流れの中で耐震等級っていくつなの?の疑問が湧き(この時点で何となく予想がつきますが)、確認して返答待ち、とのお話を頂きました。
そして、ヒアリング後日に「工務店と連絡が取れましたが、結論から言うと耐震等級は計算(品確法です)できないとのことでした。」とのメール文面を頂き、あきれを通り越して怒りを覚えた次第です。そんな返答する会社は住宅仕事しちゃダメですし、何を基準に設計施工しているんでしょうか疑問です。
* 品確法、と言っておきながら、計算できない(きっとしていない)という矛盾
* プランの中に垣間見える耐力壁の不明確さと柱直下率から見えてくる流れ
* 今、お施主様が直面している問題に対しての行動
いくつものことが容易に想像できる。そして、その工務店さんのHPを見ると、まぁー、耐震性、ZEH始め、きっと素晴らしい住宅建築をしてくれる会社なんだなぁ〜!という気持ちになる内容。決して今回のご相談くださったお施主様の住宅内容のようなことが分からないような美しい画像と言葉が並んでいる。ホントわからないし、ある面で怖さも覚えました。
この工務店さんもこう言った仕事をしながらも生きているんだ、と考えるとこれ以上は申しませんが、これが業界の実態であり、結構な耐震性の実態であり、省エネ性についての意識だと思いました。僕の身近に目にしている住宅群も、今回のお施主様のような相談に至る可能性だらけの住宅が圧倒的に多い。建材高騰、電気代高騰のみならず、環境問題や空き家問題等含めて、現状のこれではいけない!、と本気で思ってて、ご縁を頂いたmaaoの仕事をしております。
何度もブログで紹介させて頂いておりますが、設立当初は暗中模索でしたが、PHJに入会したあたりから、構造塾、さいたま断熱会議、、、それぞれの場で出会う関係性の中で、「信頼を置ける皆さん」と仕事をさせて頂いております。特に施工に至っては、前述の構造塾で取りまとめてくださっている「家づくり応援・業者マップ」や、さいたま断熱会議から計画毎に、主にチームを組ませて頂いております。僕自身、まだまだ勉強中の身なので、その仲間たちをいつも尊敬しており、勉強をし続け(画像のスイッチボットを教えて頂いたりw)、真摯に建築に向き合っているお一人お一人と仕事をさせて頂いているのは、ありがたいことですし、最終的にはお施主様も含めて、生涯良好な関係を築いていけたらいいな、と思いながら業務に向き合っております。
改めて、今回のお施主様との出会いも感謝しつつ、それでも厳しい現状がありますので、関わってくださったお一人お一人の幸せな住環境を建築側面からもフォローし続けていけるよう、励んで参ります!今は、ありがたく設計業務をたくさん頂いており、外出仕事や駄菓子屋すいすい以外はずっと図面を描き続けている年始以降ですが、それでも「あ、僕はやはり設計業務が好きなんだな〜!」と思いながら、日々力尽きるまで設計作業を続けております!(お待たせしている皆々様、すみません!!!)
そんなかんなで、2023年も春の事務所引越し目指して、励んで参りますので、よろしくどうぞ〜!!