中古住宅を買う際には、まず診断を!
良く中古住宅のインスペクションや耐震診断をさせて頂く機会があるのですが、ふと思ったことがありました。それは「結構、中古流通の物件は、現況のまま、そのまま販売されてしまっているケースが多い??」ということです。
特に旧耐震(1981(昭和56)年5月31日までに建てられた建物)の場合は、耐震基準としても低く、図面が全く無かったり、建物劣化が激しかったり、ずっと空き家になっていたりで、経年した味わいはあるものの、プラス要素があまり見られないかもしれません。また断熱性能についても、旧耐震の建物は「無断熱(断熱材が入っていなかったり、入っていても非常に性能の低い状態)」のものが多いです。
中古住宅をお考えの際は、必ず購入予定の建物への「耐震診断」+「断熱診断」を実施して、まず現状を把握することを強くお勧めします。大抵の場合は更なる補強をする必要性があります。特に「耐震診断」については、建物の壁や天井等を破壊せず(非破壊)目視で診断するのを「一般診断法」、一部破壊をしつつ詳細に診断する方法を「精密診断法」と言いますがまずは「一般診断法」による確認で良いと思います。
流れとしてはこうです。耐震性も、そして断熱性も基本的な流れは同じと考えてください。
1 対象となる建物資料を集める(無い場合は現況確認となる)
2 現場を把握するための「耐震診断」「断熱診断」を実施
3 建物の状況を数値的に、視覚的に、把握する
4 必要に応じ「補強設計」を行う
5 費用を計算し、調整を行う
6 工事開始・完成
ざっくりとした流れは以上ですが、3→4に至る際、とても注意しておく点があります。それが「改修計画が耐震性、断熱性で自分の望む値に至っているか?」ということです。
まず下の14秒動画をご覧ください。
これは、左側が「現況」の耐震性を示したもの、右側が「ご購入希望の方の望むプラン」の地震時モデルです。ケースとして、中古住宅を購入される方は、現況のままお住まいになる方もいらっしゃいますが、一部や全体を改修してからお住まいになる場合もあります。その際に「あれもしたい、これもしたい」と変更していくのですが、同時に「耐震性」や「断熱性」もぜひ把握していってくださいね!という話です。
近年は南海トラフや、全国各地での首都直下型地震等が予想されておりますし、環境問題の視点からも高断熱住宅のニーズは年々高まっております。
maaoにご相談に来てくださる中古住宅購入をお考えの方には、要望・予算・条件もある中での選択となりますが、必ず「診断」を行った上でのご判断をお勧めしております。
中古住宅をお考えの方は、頭の片隅に「診断」を覚えておいて頂ければ嬉しいです。