ふじみ野市の一級建築士事務所

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このままでよいのか

このままでよいのか

新型コロナウイルスが全世界に蔓延し、私たちの日本にも広がり続けています。学校が休校になり、イベントやスポーツが自粛され、電車や飛行機も普段と違った様相を続けています。僕の長男は中学3年生、長女は小学6年生で、この春の卒業式を楽しみにしておりましたが、親は式に参加できない最小限人数での卒業式になりました。1〜2週間が山場のように言われていた期間も過ぎ、今尚、どうなってしまったんだろうという雰囲気がここそこに漂っている毎日です。

2013年4月2日に自宅の2階、8帖の一室で始めた僕の設計事務所も、気が付けばもうすぐ7年が過ぎようとしております。我武者羅に進んできたようにも思えますし、不思議と仕事を通じて、それぞれのプロジェクトを通じて、その後の展開につながっていったような日々に感じます。特別に設計デザインが優れているとか、バリバリ仕事ができる、という建築士ではないので、サポート的な仕事も含めて、頂いた仕事、ご縁に自分なりの誠意で応えてきた訳ですが、全てが完璧に至ったのではなく、更なる課題を頂いたり反省をしたりすることが多いです。

現在は僕1名で事務所の仕事をこなしておりますが、初期の頃は2名でだったり、何度もスタッフにして頂けませんか?という声を頂いたり、インターン的に一時的に入ってくださった方はいますが、ここまでのmaaoとしての動きは、このスタイルで動いております。計画の規模や状況で、プロジェクトごとにチーム編成することも多く、現在はこのスタイルでいっております。

1構造、2デザイン性、3省エネ性、この3本柱をmaao建築の設計を強みにしつつ、現在も学びと実践の日々であるのですが、1,2、はともかく、3について、まだまだ僕の携わらせて頂く仕事、企画・計画、実務においてはうまく連動していない、というか、自分の思うようなカタチに至れていない、というのが実感です。ヒートショックで亡くなる方をこの世から無くしたいと思っております。メディアや、身近な方でも家についての話題中で、「この方はもしかしたら、住環境のせいで命を失ったのかもしれない・・・」と思うことが多くなりました。こたつや床暖房や暖房便座の話を聞く度に、もしかしたら夏暑過ぎ、冬寒過ぎの家に住んでおられるのだろうな、と考えてしまいます。僕の携わるお客様との会話の中でも、計画において、膨らみに膨らんだ予算を削っていく項目に、断熱は軽く見られているような感覚があり、ご説明してもなかなか理解されないことがよくあります。体感を伴わない説得は実に難しいものです。

【新築】計画においては、311のような天災や人災を経て、住宅を中心に、かなり省エネルギー性についての視点は、上がってきているように思いますが、僕自身の仕事、maaoの多くの仕事は、割合として【改修:repair】工事が多く、また、建物や場の定義を根本から考える【リノベーション:Renovation】がほとんどになってきています。そして、そのような計画のほとんどが、予算が潤沢には無いことが多いです。その中で、それでも、少しでも居心地の良い環境、ワクワクするような場づくりを目指して、職人さんのみならず、お施主さん、ご友人、ワークショップをSNSで呼び掛けた際の参加者、ご近所の方等々、と一緒に工事も行っていくような、セルフリノベーション(DIY)を行ったりもしているのですが、結果として、この省エネルギー性については、納得のいく結果に至ったことが、残念ながらほとんどありません。

外壁を塗り替えませんか?というチラシ。その予算をかければ、少しでも断熱性能を上げることができるのになぁ、と思ったり、「いつか、息子、娘の誰かに、この家を渡して住んでもらおうと思っているんですよ」というご年配のお客さんに、「それなら断熱性能を上げる断熱改修工事を行うことが良いと思いますよ」とお勧めしたりしている訳ですが、根本的に何か「意識を変える」手を打たないと、人生終わってしまうなぁー、と大きな危機感を感じております。

圧倒的な数の建物が、あまりに余ってきている国、ニッポン。

そう、【既存】建物、【既存】住宅、への住環境改善へ。

既に建ててしまって住宅ローン返済中の住宅だったり、賃貸だからなーんも手を付けられないんですよ、と、機械頼みの住環境だったり、受け継いで住んでおられる古い建物であったり、ボロボロで不動産業者さんも「価値はゼロですよ」とか言われ、解体を待つのみの建物であったり、エアコン+ファンヒーター+ホットカーペットで我慢すれば、光熱費が凄いことになっていても極寒よりはマシと割り切っている建物だったり・・・日本は結構、そんな建物だらけなんじゃないかなって思います。

新築なら、それなりの断熱性能をもった資産価値のある建物を

既存改修・リノベーションも、断熱性能も確保した資産価値を上げる建物を

maaoは、そこを攻めていきます。耐震性、デザイン性、そして省エネルギー性のある建築を。

この環境は変えられる。

これからも、励んで参りますので、どうぞよろしくお願い致します。

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