医療と建築の融合

医療と建築の融合

 

Facebookでも記事にしましたが、

医療と建築の技術を融合しつつ、向かうべき課題があります。

ズバリ「住まいのヒートショック対策」です。

 

色々と書籍を読んでおりますが、特にわかりやすく医療側のデータが書かれている本がありました。

 

「先生が語る 病気にならないための家づくり」

創樹社 一般社団法人健康・省エネ住宅を推進する公民会議 編著 1400円+税

 

特に医療視点から見た住環境の解析が勉強になります。
書籍内にある建物性能はまだまだ向上するべき(Q値1.9等)と思いますが、
世に多く存在する「住宅内の寒さ」への危険性を知ることはとても大事。
日本の多くの住宅が置かれているそれは「冷蔵庫の中に住まいがあるような寒さ」だと思います。玄関ドアが冷蔵庫ドアとイコールな感じ。

 

risky house

 

ヒートショックとは、極端な住宅内の温度差によって血圧が一気に変動し、心臓に大きな負担を強いることを言いますが、心筋梗塞や脳卒中につながる危険な住環境問題です。

ってことで、本の中から、個人的なポイントを簡単に抜粋します。

 

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消費者間のヒートショックへの理解はまだまだ低い。
浴室内溺死事故は家庭内事故の約4割。
年齢が1歳上がるごとに血圧が0.65mmHgずつ上がる。
体重が10kg増えるごとに血圧が7.5mmHg上昇。
居間の室温が10℃上がると血圧が4.3mmHg下がる。
某70歳女性起床時血圧、改修前平均室温約8℃で最高血圧平均146mmHg、
改修後平均室温約20℃で最高血圧平均134mmHg(135以上高血圧診断基準)
厚労省「健康日本21」では最高血圧4mmHg下げが目標に。
「健康日本21」に住まいの温熱環境は含まれていない。
国内 医療費2010年約37兆円、介護費約8兆円。
同上 医療費2025年約68兆円、介護費約24兆円の見込み。
住まいの断熱性向上でイニシャル高に対して、光熱費、医療費、保険等公的負担の削減があげられる。
仮面高血圧=診察室で正常なのに、別要因で血圧が急上昇すること
仮面高血圧は3種類、職場・夜間・早朝、この中で最多が早朝型。
気温感受性高血圧の方は起床後2〜3時間の血圧変化に注意。
食塩感受性高血圧の方は障子の塩分摂取量に注意。
2万人高血圧調査、早朝高血圧の患者10%が朝方、一気に55mmHg上昇。
足元付近室温10℃低下で血圧平均9mmHg上昇。
床から1.1mで室温10℃低下で血圧平均5mmHg上昇。
WHO「ジャカルタ宣言」での健康の決定要因=平和、住居、教育、社会保障、人間関係、食料、所得、女性の地位、安定的生態系、持続可能な資源利用、社会的公正、人権と平等の尊重、貧困で平和の次に住居があげられる。
目指すは「ピンピンコロリ」の「ゼロ次予防」(屋内外の住環境整備)
動脈硬化はなってしまったら元には戻らず、住宅と関係性高いのが高血圧。
粥腫(じゅくしゅ)により血流面積が血管の25以下になると胸痛等症状。
何かの拍子に血管内腔が破れ粥腫が流れて血管を潰すのが急性心筋梗塞。
循環器系疾患(心筋梗塞・脳卒中等)は1月,12月頃の起床時に多発。
予防医学により、健康寿命をいかに伸ばしていくか、が大事。
日本人の平均寿命と健康寿命の差は8〜10歳程。
老人口増加率3.5%を上回っている大都市10年後は本当に大変。在宅医療化。
多少寒い方が健康になる、という根性論的認識を変えていく必要あり。
寒さに限らず日本人は自己健康への意識が低く日常生活をなめ過ぎの感。
2015年7月、健康・省エネ住宅推進委員会。
さいたま健康・省エネ住宅推進協議会 → http://saitama.kenko-jutaku.org/document

 

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この「ヒートショック対策」は僕のライフワークの一つだと思っております。

特に高齢者の皆さんの生活環境の改善は、急務と自覚しております。

まだまだしっかり知識を蓄え、技術を磨いて参りたいと思います。

埼玉・川越において建築設計・監理を中心に業務しております。建築とはその時代の技術・文化・思想・情勢の指標として世に生み出されて佇みます。「地球温暖化による環境変化」「少子超高齢化社会」「再生可能エネルギーへの転換」等々、多くの解決すべき課題、現実を受けての実践となっておりますが、国勢シュリンク(縮小)期を迎え、どこかしらギスギスしがちな社会に向かっている気が致します。特にSNS等、ネット情報化が進む社会において、プラスマイナス双方の影響が見え隠れしており、聞いたこともないような状態が次々と起こっております。そのような中、一人の赤ん坊が周りの人々を笑顔にするように、業務を通じて関係者や周辺の方々、環境、風土、社会に寄り添うような、緩やかで楽しい関係性を築いていくことができたら、と思っております。ふと目を移すと、国内には遊休不動産、いわゆる「空き家」の数が820万戸を優に超えるという状況となっており、これらの再生や活用も重要な業務となっております。新築・改修・再生ともに特に構造的な「耐震性」、建物のデザインのみならず、基本的な住環境性能と健康を意識した「省エネルギー性」、その土地特有の「地域性」を強く意識した活動を行って参ります。また、川越には現代に残る多くの歴史的遺産が多数ございます。日々その歴史の一端に触れつつ、世代を超えて「愛され存在し続ける建築・場」について、追求・実践して参ります。