川越市立博物館

川越市立博物館

 

川越市内の好きな場所の一つに「川越市立博物館」があります。

 

 

時間がある時や、いろいろ煮詰まった時に、

事務所からも歩いて行ける距離なので、ちょこちょこ訪れる場所です。

ここでは、特に川越の歴史を詳しく学べる点や、展示模型自体の精巧さ等が魅力です。

 

資料を見、模型を眺めながら、当時の生活を思い、

現在の自分を取り巻く環境と比較したりして、新たな気づきを得ています。

 

蔵造りの街並みは、火事をきっかけとして生まれました。

1893(明治26)年3月17日 20時15分 出火、

翌 3月18日8時 に 鎮火。

1302戸の住居や寺社を焼き尽くした「川越大火」です。

この時に燃えずに残った「大沢屋住宅」に注目が集まり、

以後2、3年の内に、一気に200棟以上の蔵造り建築が建設されました。

 

壁厚さ30センチ。

塀や街並みの色調に合わせて白漆喰よりも高価な「黒」漆喰が多用され、

当時の建設費的には割高であったものの、耐火建築である点を重視してまちづくりが進められました。

生活物資含め、公民総出で協力して、小江戸川越は復活。

最盛期は100件ほど連なっていた建造物群も、今では30件程になっていますが、

それでも約120年前に建った蔵造りが、現在も現役で生き続けています。

 

この辺りに、現代に通じる何か、メッセージがあるように思うのです。

 

 

 

愛され続ける建物とは。

 

 

 

蔵造り1件建設するのに、現在価値では1億円〜3億円程の費用がかかると言われています。

当時最高の耐火建築技術を駆使して一気に築かれていった耐火の街。

高額なお金をかけても守ろうとしたもの。

命、商売、私財、建物、暮らし・・・

 

例えば、

 

僕が今、研鑽を続けている省エネルギー性の高い住宅、通称「パッシブハウス」も、

仕様によりますが、壁厚さ30センチ程。

現在の技術・工夫を駆使して、エネルギ−を無駄に使わない、かつ、快適性は犠牲にしない建物ですが、

イニシャルコスト(総工費)は少し高めとなりますが、

ランニングコスト(光熱費)は大幅に抑えることができ、

結果、トータルで快適さとコスト性を上げることが可能です。

 

これは建物のスペック(仕様)の話です。

 

僕はそこに生み出される建物、

現存して再度活躍を待つ建物 への

「思い」が込められていくことが最も大切、と考える訳です。

 

「思い」は形に現すことは簡単ではありません。

 

何度も何度も検討を重ねていく必要がありますし、流れ行く時代を意識しつつ、の場合もあります。

でも、考え続ける思考や過程や対話は、建物に目に見えない「強度」を与えると信じて、

川越市立博物館で、模型を見たり、資料を読んだりして、

過去と現在を行き来しながら、未来のあるべき姿を考えているのであります。

 

 

 

話が思いっきり途中からそれていった気が致しますが、

とてもお勧めの施設ですので、

川越にいらした際、歴史的建造物と共に、ぜひ立ち寄って頂きたい場所です。

 

 

川越市立博物館

http://museum.city.kawagoe.saitama.jp/

 

 

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埼玉・川越において建築設計・監理を中心に業務しております。建築とはその時代の技術・文化・思想・情勢の指標として世に生み出されて佇みます。「地球温暖化による環境変化」「少子超高齢化社会」「再生可能エネルギーへの転換」等々、多くの解決すべき課題、現実を受けての実践となっておりますが、国勢シュリンク(縮小)期を迎え、どこかしらギスギスしがちな社会に向かっている気が致します。特にSNS等、ネット情報化が進む社会において、プラスマイナス双方の影響が見え隠れしており、聞いたこともないような状態が次々と起こっております。そのような中、一人の赤ん坊が周りの人々を笑顔にするように、業務を通じて関係者や周辺の方々、環境、風土、社会に寄り添うような、緩やかで楽しい関係性を築いていくことができたら、と思っております。ふと目を移すと、国内には遊休不動産、いわゆる「空き家」の数が820万戸を優に超えるという状況となっており、これらの再生や活用も重要な業務となっております。新築・改修・再生ともに特に構造的な「耐震性」、建物のデザインのみならず、基本的な住環境性能と健康を意識した「省エネルギー性」、その土地特有の「地域性」を強く意識した活動を行って参ります。また、川越には現代に残る多くの歴史的遺産が多数ございます。日々その歴史の一端に触れつつ、世代を超えて「愛され存在し続ける建築・場」について、追求・実践して参ります。