小江戸進化

小江戸進化

観光都市としては関東圏で知名度の高さは日光、鎌倉に続き、非常に高い川越市ではありますが、その魅力の内容は、やはり「昔の歴史が時を超えて体感できる」点ではないか、と思います。観光場所としては西武新宿線の終点、本川越駅から北、大正浪漫通りや一番街を抜けて札の辻という交差点付近までが主な観光スポットになるのですが、時系列的に現在、昭和、大正、明治、江戸時代・・・と駅から離れるにつれてタイムスリップしていくような町並みは、歩みを進める度に胸が躍ります。寺社を含めると市内の広範囲にわたり、歴史的建造物が点在しておりますが、歴史的建造物もさながら、僕自身にとってはそのマテリアルやミニアイコン的なパーツが、意外と魅力的であります。画像のような板張り外壁や、代名詞の黒漆喰外壁、重厚な屋根瓦は勿論のこと、朽ちていき倒れかけた住宅に見られる土蔵壁と竹小舞、木製電柱、古民家内の電線碍子、ピンコロ石の石畳、石碑・・・ 経年劣化、経年変化したからこそ、哀愁すら漂うそれらに、昔のココで生活されていた皆さんのことを想い、改めて今、を見つめ直す機会になるのだと思います。

小江戸は常に進化していきます。

昨今は、この時間軸で言う「昭和」時代について、本格的に街づくりを始める動きが出て参りました。https://www.city.kawagoe.saitama.jp/shisei/toshi_machizukuri/machizukuri/toshikeikaku/toshikeikaku.html

 

グローバル化によって、世界中の人がこの川越にも来られるようになりました。それはある種、時間軸を度外視した情報としての場所の認識を促しますが、そのような状況における観光都市川越の「時間を意識する」役割は、これから益々大きくなることが予想されます。20世紀もしかり、21世紀に入り、情報化技術は加速する一方ですが、「時が人を結ぶまち」というテーマを掲げ、市政を進める川越において、僕は、川越という存在を身近なモノに例えると、それは「風鈴」なのではないか、と思う訳です。「風鈴」は見えない風を捉え、「音」で人に気づきを与えてくれます。そして、その「音色」を聴くと、いつもと少し違う、様々な風景を思い起こさせてくれる。疾走する人生において、軽くブレーキをかけてくれる。街がゆったりと人生ドライブに軽くブレーキをかけて、いつもと違う風景を見させてくれる街。

 

日々、時の鐘を見つめつつ、仕事をしながら、そんなことを思う訳です。

 

埼玉・川越において建築設計・監理を中心に業務しております。建築とはその時代の技術・文化・思想・情勢の指標として世に生み出されて佇みます。「地球温暖化による環境変化」「少子超高齢化社会」「再生可能エネルギーへの転換」等々、多くの解決すべき課題、現実を受けての実践となっておりますが、国勢シュリンク(縮小)期を迎え、どこかしらギスギスしがちな社会に向かっている気が致します。特にSNS等、ネット情報化が進む社会において、プラスマイナス双方の影響が見え隠れしており、聞いたこともないような状態が次々と起こっております。そのような中、一人の赤ん坊が周りの人々を笑顔にするように、業務を通じて関係者や周辺の方々、環境、風土、社会に寄り添うような、緩やかで楽しい関係性を築いていくことができたら、と思っております。ふと目を移すと、国内には遊休不動産、いわゆる「空き家」の数が820万戸を優に超えるという状況となっており、これらの再生や活用も重要な業務となっております。新築・改修・再生ともに特に構造的な「耐震性」、建物のデザインのみならず、基本的な住環境性能と健康を意識した「省エネルギー性」、その土地特有の「地域性」を強く意識した活動を行って参ります。また、川越には現代に残る多くの歴史的遺産が多数ございます。日々その歴史の一端に触れつつ、世代を超えて「愛され存在し続ける建築・場」について、追求・実践して参ります。